ヒューマン2.0、自分が考えていた生き方(かもしれない)

ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)

を読みました。

何故この本を買ったのかはあまり記憶にないです。もともと僕は作者とか見ないで本を買うし、誰が作者などといった情報も全く覚えられません。このためこの人が作者だからという理由で本を買うことも皆無です。普段は本屋で中をぱらぱら見たり、Amazonの詳細やレビューコメントを見て買っています。こういうところがうう男(右脳人間)である証拠かもしれません。

さて、この本のタイトルを見たときはいまいちだなぁと思いました。なぜなら”2.0″というのをつけるのがもう好きじゃないので。ただ中身にはものすごく共感できる内容でした。

よくアメリカにはできるエンジニアとできないエンジニアの差が激しいというのを聞いてました。逆に日本は平均的で可もなく不可もなくで平均をみれば日本もアメリカもそんなに差はないかもしれないけれど、アメリカにはまれにものすごく飛び抜けた人がいる。という話です。

この本ではこれとほぼ同様の内容として
「アメリカでは、以下のランクの人間がおり、
・落第級  要求されたことを実行できない
・ランク4 要求を、回り道しながらも実行できる
・ランク3 要求を、効率良く実行できる
・ランク2 要求を、クリエィティブに実行できる
・ランク1 実は要求者もわかっていない要求を実行できる
アメリカには落第級とランク4が山のようにいる一方で、ランク2,ランク1にもよく出会う。一方日本では圧倒的にランク3が多く、それより上も下も少ない。」
と記述されていいます。

これとってもわかりやすいです。自分は今はランク2にいるのかな?ソニーですらランク2に達していた人は少なかったように思えました。そういう現実を見て、やばい。もう日本は駄目だからシリコンバレーに行くしかない。とさえ思っていた自分を思い出しました。

もう一つ心に残ったのはフリーランスとしての生き方です。仕事をしているとたまに、この仕事は自分の仕事じゃないと思うことがあります。普通の会社だとこれを口に出すとお前は何様だと言われると思います。もう少し説明すると僕がこう思っているときは「(こんな誰でもできるような)この仕事は(自分の貴重なcreativeな時間を浪費してしまうので)自分の仕事じゃない」と考えています。こう書くと少しは理解してくれる人もいるとは思うのですが、それでも日本では「そういう(我慢する)のもひっくるめて仕事」という考えが一般的であるような気がします。でも本当に良い物をつくるためにはできる人間は仕事を選ぶべきだというのが僕の考えです。

ある別な本で「仕事ができる人にはたくさんの仕事が降り注くのでクリエィティブな能力を発揮する時間がなくなってしまう。仕事ができる人には時間を与えるべきである。それが会社のためだ」という内容を読んだことを思い出しました。これを実践するには会社の仕事の振り方というよりもフリーランスとしての生き方をもっと日本でも理解するべきですよね。

ここでふと疑問がわきました。最近流行の(?)日本の派遣社員とシリコンバレーのフリーランスは同じなのでしょうか違うのでしょうか?自分の自由な時間を大事にするというのは確かに似ているかもしれませんが、僕は全く違うのではないかと思います。日本の派遣社員というのは現状では雇用体系のの一つであるという意味合いが強いように感じます。能力がどうこうというよりもアルバイト、派遣社員、正社員の選択肢から会社に対しての責任と保障をどういう風に受けますか?という感じで能力を武器とした派遣というのは今は少ないのではないでしょうか。これに対してフリーランスは完全に個々の能力を武器に一人でも仕事を請け負えるようなイメージで、雇用体系というよりかは仕事の請け負い方であるように感じます。僕はアメリカの個人能力の格差がフリーランスとしての生き方を生んでいる一方で、フリーランスとしての生き方があることがまた能力の格差を生んでいるのではないかと思います。

実は常々フリーランスのような生き方をしたいなぁと思っていました。若者はなぜ直ぐに会社を辞めるのかという議論がされる日本ではなかなかそれを口に出すこともできず、少し忘れかけていました。気がつかないうちに狭い日本の枠にとらわれそうになっていたと猛省しています。

この本を読み終わって、やっぱり自分はシリコンバレーに行くべきだと思いました。フリーランスとして生き方を実践したい。日本のお堅い考えの人からみるとこの生き方はひどく怠慢でかつ、我慢の足りない生き方かもしれません。でもこの本は勇気をくれました。そんな人がいても「あぁ、そうさ。俺はワガママさっ。だから何?たとえワガママな生き方だとしても誰よりもたくさんの人を感動させるものをつくってやるさ。」と声を大にして言えるようになります。そんな勇気を必要としている人には是非読んでもらいたい本です。