山口県光市母子殺害事件は弁護団vs橋本弁護士(現・大阪府知事)の対立もありかなり注目を集めたわけだが、今回は死刑という判決が下った。
判決を読んだところ、妥当な判断かと思ったが、さすがに結果が結果だけに率直なところ「良かったな」という風には思えない。
実際に死刑といってもいつ刑が実行されるかはわからないわけなので、無期懲役でも大して変わらないのではないかとは思う。死刑制度による犯罪抑止効果のほども期待できないとも思う。ただこの問題はそんなプラスマイナスで決められるものはない気がするので、その国の倫理に基づいて決めるしかないのだろう。個人的には日本は現状維持でいいと思う。なんかの本で読んだけど、刑があるから犯罪をしないのではなく卑怯なことをしないために犯罪をしないと考えるのが良いのだろう。武士道的なタイトルの本だった気がする。
判決文を見ると、一審・二審から被告人が主張を覆したことが、今回の反省がないという判断につながったということになっている。この主張を覆したのが弁護人の意図だったとしたら、正直、無能な弁護団と言わざるを得ない。
難しい判決なので時間がかかるのは仕方がないが、9年という歳月は長すぎる。これだけ時間があれば被害者も加害者も多少考え方も変わってしまうのではないだろか。ただそれでも一年もあれば事件についておおよそ考えはまとまるんじゃないかと思うし、最初から発言が二転三転するならともかく何年もたってから、しかも弁護人が変わった瞬間に突然主張が全く変わってしまうのは不自然すぎる。被告側は上告するらしいが、素人から見ても理屈が通っている今回の判決文に対していったい何を主張するのだろうか。