kwは何故ソニーを3年で辞めたのか?

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」TVでもよく話題になる話で、ソニーを3年半で辞めた僕にとってこの話題は人ごとではないと思っています。

そんな中、及川さんのblog(http://takuyaoikawa.blogspot.com/2007/06/3.html)で「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本を知り、衝動買いしました。

この本を読む時、2つの疑問の解を探しました。その疑問とは
1) 若者が3年で辞めるのはいけないことなのか?
2) 若者は3年でどうすべきなのか?
ということでした。

本では1)について明確には良いとも悪いとも言っていません。ただしTVなどでは若者がすぐに会社を辞めることに対してよく沸き起こる「若者には我慢が足りない」「我々は厳しい仕事も耐えた」という否定的な意見に対して、若者を擁護するような記述は見受けられます。この本ではサブタイトルの中にもある”年功序列”というキーワードが多々出現し、若者が若い間我慢できるのは苦労しても年をとれば出世し、給料があがるという年功序列の制度があればこそで、この年功序列の制度が昔とは違う以上、今の若者に対して我慢が足りないだとか我慢すべきだというのはピントがずれているという指摘です。

では我慢しなくて良いのかと言われるとそんな短絡的なことをこの本は述べてはおらず、”年功序列”の崩壊はおおよそ日本全体の問題なので他社に移ったところで同じ問題に遭遇する恐れがあると警告しています。

2)については具体的なものではありませんが、”年功序列”が崩壊している日本および今の会社の現状をしっかりと認識して、仕事に限らずどう自分が生きていくかを見極めなさい。というのが解であったように感じました。

さて僕が何故ソニーを3年で辞めたかですが、もともと僕は社会人になる前から年功序列や終身雇用にはまったく期待していませんでした。ソニーに入社した直後もこの会社で生涯過ごすことはないだろうと思っていました。もちろん3年でソニーを去るとまではその頃思っていたわけではありませんが、時代の流れや、プロジェクトのタイミングやいろいろなきっかけが重なったのがたまたま3年だったということでしかないかと思っています。

本の中では、昭和的年功序列は人生を旅だとするならば学校を出てただその列車に乗っていれば年功序列というレールを上を終点まで乗せていってくれるものだったと例えています。確かにゴールは魅力的なものなのかもしれませんが、僕にはただ乗っているだけで良いという人生の過程が魅力的なものにはうつりませんでした。

旅とは遠ざかってしまいますが僕は例えるならモグラのような生き方が良いと思いました。自分の手で掘らないと前に進めない。でも一生懸命掘ってもそれが前に進んでいるとは限らない、ある時は戻っているかもしれないし、硬い岩があって進めないかもしれない。暗闇の中ジグザグに進んでものすごく無駄に体力を消耗するかもしれない。運良く、地上に出たとしてもそれがどこかもわからないし、その土地がどんな状態かもわからない。でも、それも含めて全部人生なんだと思います。どの会社で何年働いたなんてことはどうでも良いことだし、自分のゴールを目指して自分の力で進んでいくということが一番大事なことなんだと考えています。