SCEI久多良木氏が取締役退任へ–代表取締役社長兼COOの平井氏が後任に
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20348017,00.htm?ref=rss
くたぽんこと久多良木さんが取締役を退任し名誉会長に就任されてしまった。新聞では「満場一致で」とか書いてあるのを読んだのでなぜかちょっぴり寂しい気分になった。
名誉会長とは言え、事実上の左遷であると思う。PS1/PS2で登りつめ、出井さんのあとの社長候補にまでなった久多良木さんだがPSXの不振、PS3のセルの負債などエレクトロニクス業界での結果が思うように出せなかったのが痛かった気がする。
自分は久多良木さんには会ったことも無いし、どんな人かも全く知らない。ただソニーらしい人間の匂いがする。(これ俺の勘)
確かに経営者として駄目な面もあったのだろう、そうでなければ退任が満場一致で決まるはずもない。ただ成功もなければ失敗もしないチャレンジのしない人間がトップをとれるような会社になってしまってそれでよいのだろうか?どうもソニーの今の経営陣を見ているとなんかよくわからないけど偉くなっている人が多いように思えてしまう。
一方で個性のある人間は、出る杭は打たれる状態で取り囲まれ、失敗があると待ってましたとばかりに叩かれる。そんな状態になっている気がしてしょうがないのだが気のせいだろうか?
たしかに小さな会社と違い、ソニーくらいになれば成功はしなくても失敗しなければブランド力で食っていける。余計なリスクのあるチャレンジの方が嫌われるのかもしれない。でも、そんな今だからこそ井深さんの設立趣意書を読み直したい。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html
今日はこの言葉を引用しよう。技術の会社だからお金や量など数字ばっかり追いたくない。
「極力製品ノ選択ニ努メ技術上ノ困難ハ寧ロ之ヲ歓迎、量ノ多少ニ関セズ最モ社会的ニ利用度ノ高イ高級技術製品ヲ対象トス、又単ニ電気、機械等ノ形式的分類ハサケ、其ノ両者ヲ統合セルガ如キ他社ノ追随ヲ絶対許サザル境地ニ独自ナル製品化ヲ行フ。」
久多良木さんは会社起こしたり、転職したりするかもしれない。もうできる人間はどんどん辞めていく。動物園と化した世界から野生をもとめてライオンが逃げ出していく様のようだ。
大きな動物園はたくさん人は集めることはできる。でも人に飼われた動物は野生の動物にはかなわない。今日の流れだとスムーズにこの言葉が言えそうだ。
「ただの大企業はいらない。」