ドナルド・トランプという男

アメリカの次期大統領であるドナルド・トランプ氏。発言のどこまでが本気なのか戦略なのかよくわからない人であり、いろんな人がいろんなことを推測で話している。テレビのコメンテーターなる役割の人達の言うことを聞いていると、よくまぁ、会ったことも無い人のことをそこまで言えるなぁと思ってしまうので彼らの言うことを聞くよりもまず自分で調べてみるかと思い本を読むことにした。これまでのドナルド・トランプ知識はWOWOWで見たアプレンティスシリーズしかない。

この本はワシントン・ポストのジャーナリストの情報を集めた本となっている。ワシントン・ポストはトランプ氏に限らず大統領候補になった人物を事細かく調べ上げるそうで、この本はそれに沿ってまとめた本ということになる。自伝など本人監修だと都合の良い情報しか出ないのである程度中立的に読めるのではないかと考えてこの本にした。残念ながらこの本は共和党の候補指名になるまでの話で終わっており、最終的に大統領選挙で勝つまでは含まれていない。

この本を読むとなかなかとんでもない人物のようである。一貫しているのは勝つことにとてもこだわるような人物に見える。謎というか家庭環境はそれほど悪くないように見える。不動産で成功した父親を持ち、苦労せずに育っている。中学でやんちゃになってくると父親に寮のある軍隊式の学校に入れられるなどちゃんと教育されているように思える。

移民を排除するといいつつ、移民の女性と何度も結婚していたり、娘のイヴァンカはユダヤ系の夫と結婚していたり、あまり一貫性がないことが気になっていたが、この本によるとトランプ氏は支持政党を共和党と民主党を何度も変えていたり、過去にはクリントン氏に政治献金を送っていたこともある。

政治に関しては一貫性がないように見えるが、自分のビジネスにプラスになる人物に力を貸すというところには一貫性がある。プラスになる相手には取り入るが、マイナスになる相手は排除するというところはありそうである。

本を一冊読んだだけの情報ではわからないことも多いが、幼少期やキャリアの進め方などもわかったこともそれなりにあった。トランプ氏に限ったことではないが、よく知らない人を想像で人物像をつくってさらに行動を想像するのはあまりしないように気をつけようと思う。