サッカーと出自のもやもや

浦和レッズサポータの件、とうとうここまで来てしまったのかという印象。悪いところまで世界標準にしなくていいのに。

日本ではあまり民族を意識しないのでこうい人種差別は起きにくいかもしれないが、海外サッカーニュースを見ているとこういった問題はよく起きている。先日のチャンピオンズリーグの試合後にペジェグリーニ監督は「スウェーデン人」の審判には問題があると発言したため2試合のベンチ入り処分がくだされたり、セリエAでインテルのサポータが人種差別の歌を歌ったため1試合の閉鎖と執行猶予がつく処分をうけたりしている。

こういった問題を防ぐためFIFAを始めとする世界のサッカー協会は人種差別にかなり厳しい制裁を課すので、差別的発言と疑われた時点で罰は免れないようになっている。だから浦和レッズの件は世界基準にそって対処されたものだと思われる。

JAPANESE ONLYとい聞いた時にアスレティック・ビルバオのことを思い出した。スペインリーグに所属するこのクラブでは現在選手をバスク人に限定するというクラブ方針を貫いている。

サッカー特有の話ではないが外国人枠というものがある。他の職業で考えれば能力が高いのに国籍によって働けないのは差別にあたりそうなものだ。これが法的に問題にならないのは、リーグのバランスを取るため、母国選手を守るためというローカルルールが優先されるのだと予想。またプロスポーツだけでなく、日本の部活動などでも他県から人を集めることに否定的な意見もあったりするし。

これらは人種差別問題とは関係ない話だが、クラブにおいて選手の出自で人数を制限するっていうのは差別なんじゃないのかとやっぱりもやもやしてしまう。そうは言ってもその地域のサポーターからすれば同郷の選手がプレーしてくれた方が感情移入できるものだ。しかし、サッカーが地域に根ざしすぎていることが民族間の問題に発展しやすい部分であることも否定出来ない気がする。そういえばドイツでは外国人枠を廃止して母国選手の登録人数を一定以上になるような義務付けにしているがこのやり方は難しいのだろうか。

と思ったが、インテルはインターナショナルの意味なので国際化しても関係ないのかもしれない。とにかく地域に根ざしたチームを対戦させて人種差別を否定し、選手の出自で登録を制限する。世の中というのはいろんな矛盾を抱えながら頑張っているのだな。