先日の日本GPでは小林可夢偉が初の表彰台(3位入賞)という素晴らしい結果を見せてくれましたね。またスタート失敗するんじゃないかとか、グロージャンミサイルを喰らうんじゃないかと嫌な予感を遮り(実際グロージャンは2位スタートのウェーバに直撃したが、もうグロージャンは駄目だこいつなんとかしないと状態)見事なスタート。可夢偉は第二スティントのタイムがあまりよくなかったので最後のダイヤ交換を他のドライバーよりも早く行い、後ろにはタイムマネージメントの上手いバトンがいたため、最後交わされるんじゃないかとはらはらドキドキな展開だったけど、可夢偉も見事なタイムマネージメントを見せて逃げ切った!
予選から含めてチームとしても可夢偉としてもトップチートと堂々たる展開で3位入賞。これで可夢偉の来年のシートが決まってくれるといいな。
といい終わり方と思ったものの、恋人が道端ジェシカで日本通のジェイソン・バトンが最後空気を読んで可夢偉を逃してくれたんじゃないかという声がちらほら聞こえたりもした。確かに傍から見ていたらそう見えなくもないかもしれない。自分はFomrula 1サイトにあるLive Timingを見ていて二人が終盤、自己ベストを更新し合っていたのでそんなことは微塵も感じなかったわけだが改めて終盤どうだったかを確認してみることにした。
ググったらF1 Fanaticというブログに2012 Japanese Grand Prix lap chartsというエントリを見つけた。
可夢偉とバトンを抜き出したのが上の図。これはトップからのタイム差の遷移となっている。38周でトップのベッテルがピットストップでタイヤを交換して差が縮まってからバトンはトップのベッテルと同じ速度で走っていることがわかる。可夢偉はバトンよりも4周早くタイヤを交換していたけどバトンとの差をうまく利用してタイヤを温存し、2秒以内に詰められた45週目あたりからベッテルと同じ速度で走って対抗し1秒以内に入られないようにしていたことがわかる。
バトンが空気を読むも何も、バトンが可夢偉を交わすには可夢偉のタイヤが死ぬか、可夢偉がミスをするかのどちらかしかなかったわけで、実際それを狙っていたが可夢偉はそのチャンスを与えなかったということである。これでバトンが空気を読んでいたならベッテルよりも1秒以上速く走れるポテンシャルがあったことになる。さすがにその論理は無理だろ。
この二人がどれだけ熱いバトルをしていたかは以下の図で明らか。
これは全ドライバーのチャート。ベッテルは独走状態で最後は流してよかったんだけど、ベッテルは「ヒャッハー!」と調子にのって最速ラップを刻んでいてチームからの無線で「もう、そういうのいいから!」ってたしなめられていたくらい。2位のマッサも含めて全員がベッテルからギャップをつけられ右肩上がりのグラフになるなかバトンだけは最後のタイヤ交換からベッテル並の速さで走っていたことがわかる。そんなバトンを抑え切った可夢偉の3位入賞は真剣勝負のなか勝ち取った価値ある結果だ。これを評価できない人はこの結果を認めたくない何か他の理由があるに違いない。