本を囲まれた生活をするために本の自炊はしなかったわけなんだが、残すものを終え収納フェーズに入ってから新たな発見があった。
それは「物を残す・残さないという判断」と「物を飾る(ディスプレイ)したいかどうかという判断」はそれぞれ行えるということだった。残す本を本棚にしまっていると、これは別に囲まれていたくない(ディスプレイしなくてよい)ともう本が見つかり、それに気がついた。そしてこいつらは電子書籍化すればいいと考える。
自炊の対象
今回自炊の対象になったものは以下のようなものである
・雑誌
・料理本
・バンドスコア
・逆引き的な技術書籍
・ガイド本
まず雑誌は背表紙が狭く普通に収納して魅せるのは難しい。横に立てたりして工夫すればディスプレイできるが別に雑誌を飾りたい欲求はない。
次に料理本とバンドスコア。なんというかそもそもこれらは本という形態は実は向いていないんじゃないかと思い始めた。大抵のケースではこれらの本を使うときに見るページは一部分だけである(読むではなく見るという動作になるものポイントである)。そして利用するときは別の作業をしながら見るわけで本を見開きで固定するのが難しかったりするので道具としてイマイチに思えてしまう。iPadやPCで見た方が使いやすいかもしれない。昔はめくりながら弾けないからバンドスコアを全部コピーして自分のパートだけ切り取って一枚の紙にするということをよくやっていた。今だったらデジタルでそれをすれば良いのだ。
逆引き的な技術書籍も料理本とバンドスコアと状況はよく似ている。分厚いわりに一度に必要なページは限られていて、しかも必要になるタイミングがマチマチなのでデジタルデータにしてどこでも見れるようにしておいた方が効率的だと思う。実際使うときも目次と調べたいテクニックのページだけだろうから本という読みやすい形態じゃなくてもまぁ大丈夫だろう。
最後に旅行などのガイド本。めったに使わないし実際旅行に持って行く時も結構な荷物になるのよね。だったら保管や持ち出しでもデジタルデータでいいのではないかと。まぁ外で読むときにタブレットなんかを使うことになったら荷物の重みは増えるかもしれない・・・
自炊の道具
自炊の道具はアカベコマイリを参考に以下のものを購入した。
いままでScanSnap S300をつかってマニュアルや書類なんかはデジタルデータにしていたが処理速度があまり速くなかったので、最新版に買い換えた。S1500MはMacモデルと書いてあるがWindowsでも普通に使える。
その他、他のサイトを調べたり実際作業して必要になったものは以下のようなものたちだ。
・カッター
・アイロン
・軍手
・ジャージ
用意しておいたらよかったかも
・エプロン
・ペーパータオル
アイロンは本の糊付けを溶かすために使う。裁断機に挟めるページは数十枚なので本は一回何分割化に解体しなければならない。最初カッターでやっていたが大変だったのでアイロンで糊を溶かして分割することにした。アイロンだと力をいらないのがよいが、溶けた糊が服についたりしてしまうのでエプロンとか来た方がいい。そしてアイロン側に糊が付着してしまうのであとで雑巾とかで糊を取らないと元の用途で使えなくなるので注意。アイロン熱して濡れ雑巾に当てておけば糊は以外に簡単に拭けた。作業ではカッターやらアイロンやらを使うし、紙で手を切ったりするかもしれないので軍手などもつけた方が安心。
コタツの上が適度な作業領域かもしれない。
はじめての自炊
人間とは失敗して成長していくものだ。いろいろ失敗もした。
解体とスキャンの並行は無理
作業時間短縮を狙ってスキャン中に次の本を解体しようとしたが無理だった。うすうす書類をスキャンした経験でわかっていたこどだがScanSnapで大量の紙を取り込もうとすると紙の重みのせいか紙が重なって取り込まれれてしまう。結果としてスキャンが停止し、やり直すはめになるので少しずつ紙を追加するように気を配らないといけない。
結局、効率的にやるには解体やスキャンなど作業ごとにまとめて処理した方がよかった。
糊を甘く見ていた
まとめて解体するということで、アイロンで順次糊付けを剥がしていたのだが、溶けた糊がたれてきて服について固まってしまった。ジャージを着ていたので良かったのだがそのまま洗濯すると他の服に付きそうなので手洗いで取るはめになった。それを考えるとエプロンしていた方が洗いやすくてよかったのではないかと思う。しかし、あとで調べたところペーパータオルを当ててアイロンをあてて溶けた糊を吸わせればよかったらしい。
解体作業中、気がついたら空気清浄機がフル活動していた。焼けた糊の匂いが部屋中に充満して空気が白くにごりかけていたので慌てて換気をした。窓は開けておこう。
スキャナの点検を怠った
まとめて取り込んでいると確認をわすれがち。気がついたら取り込んだ本に縦線が入っているのに気がついた。裁断した本に残っていた糊がスキャナの面についてしまったことが原因だった。書類や説明書のスキャンで慣れていたせいで油断した。取り込んだ本を確認するのも重要だが定期的にスキャナを掃除した方がいいだろう。
自動判別が意外に役に立たない
デフォルトのまま品質や向きなどを自動判別で使っていたが、バンドスコアが見にくかったので設定を「スーパーファイン」という上から二番目の品質設定で取り込んだ。ファイルサイズが二倍になったので自動判定では半分の品質だったということになる。楽譜は品質が低いと歌詞やタブ譜がとても見難くなり、さすがに自動判定では品質が必要だとは判断されないようだ。
さらに雑誌や楽譜など文字があまりないものはうまく向きを自動判定できないようだ。おそらく文字をベースに向きを判定しているため文字が少ないと判定がうまくいかないのだろう。
解体したあと縦向きで同じ向きで入れているわけなので紙の向きを自動判定してもらう必要はまったくなく本の取り込みでは向きの自動補正の設定はオフにしておいた方がいい。
また、今まで書類で気にならなかった白紙の自動削除という機能も邪魔になることになった。書類やノートを取り込むとき片面プリントだったりするので白紙は取り込まない設定は便利なのだけど本のときは逆に必要無いケースがある。白紙のページがスキップされてしまうと読むときにページでジャンプする際にずれてしまうのである。本によって表紙まわりがページにカウントされていた、いなかったりでPDFのページと本のページが一致しないケースが多いので場合によっては白紙のページをあとから挿入してページを揃えるようなことも必要そうだ。
大変な労力
取り込みは思ったより速かった。仕様では1分間で20枚という触れ込みだったが30枚くらいは処理していた。それでも今回の作業で2日間夜から朝方まで掛かってものすごく疲弊した。トータルで半日以上費やしていると思う。もうまとめて処理するのはゴメンだ。次に大量の本を処理するときは代行サービスを検討するだろう。
戦利品
取り込んだ本、97冊。
取り込んだファイルサイズ、3.6GB。
人によってどう判断するかは様々だと思うけど、やった側としてはあんだけ頑張ってこれだけかよ。。。という気持ち。代行してもらえばよかったかも。
兵どもが夢の跡。