グアテマラ戦後、楢崎選手が実質の代表引退を表明されました。名古屋移籍後も横浜Fを見ていた自分にとっては好きな選手の一人として応援していました。振り返るとフランスワールドカップから先の南アフリカワールドカップまで日本のGKは川口選手と楢崎選手の二枚看板がずっと支えてきたわけですが、後釜が育たないという側面もあったように思います。しかし南アフリカで川島選手が現れたことでそういった責任感から開放されたんじゃないかとも思います。
代表の競争ですか? いや、僕はあれですよ。リストから外してくださいと、この合宿の最初に原さんに伝えました。意見を尊重してくれたんですけど、ちょっと待ってくれよ的なニュアンスはありましたね。ワールドカップ(W杯)が終わってからずっと考えていましたし、ただ、監督も決まっていなかったのであまり迷惑はかけられないなと思ったので、こっちに来てからになったんですけど。4回W杯に出て、幸運なことに20歳から代表に選ばれて、いろんな経験をさせてもらって、感謝しているし、何かこれから返していかないといけないなと思っています。今回の試合は試合でそういう気持ちもあるけど、原さんにはこの合宿は頑張ってくれと言われていたし、代表としての責任感をしっかり持って最後までやろうと。闘莉王とは最後に一緒にできると思っていたんですけど、逃げられちゃったので(笑)。
代表での試合も時間は長いですけど、そんなに多くないですし、だいたいの試合は思い出そうと思えば思い出せるので。いい思い出もありますけど、悔しい思いもして、それも全部実になったので、そういう経験をいろんな選手に還元するべきだと思う。帰ってきてからいろいろ相談したり、GM(ゼネラルマネジャー)とも相談したり、監督に相談したり。ピクシー(ストイコビッチ監督)はそれを理解してくれたかなと。みんなはもっとできると思っているから。代表がいなくちゃいけないといって。とにかくW杯でやり切ろうと思ってやれたので、まずはそれが一番です。W杯の前は先のことは全然分からなかったです。(サポーターには)ありがとうございましたと。ただ、引退という形で伝えた訳ではないし、GKが全員いなくなったら考えようかなと(笑)。そういう非常事態があれば別ですけど、そんなことはないでしょうから。
明確に代表引退というわけでなく、リストから外してください、緊急事態には駆けつけます。本人はそんなことは起こらないだろうと言ってますが、オランダでは南アフリカワールドカップ予選の際にファン・デル・サールが主力GKの相次ぐ負傷により条件付き引退撤回をしたこともあるのでなきにしもあらずでしょう。「代表引退する」というのは、好きと言われていないのに振るみたいな傲慢な態度と取られることもあり実績のある選手じゃないと言い辛い言葉です。そういう言葉を使わないあたりも楢崎選手らしい引退の仕方だなと感じました。
これに対してお疲れ様とか、ありがとうとか、言うのも何か違うような気もするので引き続き応援してます。