EUROは面白い。トルコの最後の逆転劇はドラマティックだった。最後、時間稼ぎの交代をさせてもらえなかったクロアチアの監督はちょっとかわいそうだった。
予選で圧勝して一位通過したチーム、苦戦しながらなんとか最終戦で予選通過を決めたチーム。ただトーナメントになればその差が感じれなくなり、むしろ前者のチームが負けてしまうのその面白さでもある。前回伏兵ギリシャが優勝しただけにどの国が優勝するのかは本当にわからない。
オランダ1 x 3ロシア。
あまり強くない国をワールドカップで躍進させるヒディング監督がどういうサッカーをするのか注目して見てみた。
ロシアのサッカーはとにかくシンプル。そして速い。難しいことは一切しない。ボールを持ったら自陣でまわすことはほとんどせず、相手陣内のスペースに持っていく。ロングボール一辺倒でもなく、ポストさせることもあれば中盤からサイドにつないでいくときもある。選手が後ろからスペースをめがけてどんどん走りこんでくる。
ロシアは攻守の切り替えがとても速いが、引いてカウンターサッカーをしている風には見えなかった。オランダ相手に互角といって良いほどのサッカーをしていた。
さて、世界を相手にしてみると決して強くない日本がこのサッカーができるのかという点も試合を見ながら考えてみた。
はっきり言うと、すぐにできるわけがない。
ロシアは確かに強国ではないのかもしれないが、試合をみる限り、選手のレベルは高かった。シンプルなサッカーだけに、止める、蹴る、走る。というプレーの質が高いようにみられた。ロシア人というどうしてもヒョードルやハリトーノフが思い浮かんでフィジカルが強そうなイメージがあるのだが、選手のフィジカルも強そうだった。
いずれにせよ、今の日本のサッカーと違い過ぎるし、そもそもあのサッカーをやればどの国でもオランダに勝てるというのならどの国も苦労しないと思う。
というわけで、日本もヒディングのロシアサッカーを目指そうというのはある意味正しくもあり、間違いでもあると思う。正確にはあんなサッカーもできるように個々のスキルを伸ばさないといけないんじゃないかと思った。
ただ、W杯予選から強国とやりあわないといけないヨーロッパの国と、予選と本選で圧倒的にレベルの違う国と試合をしないといけない日本が全く同じことができないのもある程度は仕方がないのではないかと思った。