「コンプガチャ」という仕組みが法的に規制されるとかされないとかで、グリーやらDeNAなどの会社が自主的にそのサービスを中止したという。そもそも「コンプガチャ」とはどういうもので、何が悪いのかいまいちわかっていないので調べてみた。
コンプガチャとは
コンプガチャンプガチャとは、コンプリートガチャの略で、元々は「ガチャ」と呼ばれる有料くじびきゲームがはじまり(無料ガチャも存在する)
話題の「コンプガチャ」についていまさら聞けない人のためのやさしい解説
有料くじびきゲームでその景品をコンプリート、全部揃えることを意味するようだ。ソーシャルゲーム内でくじのようなものを購入し、全部揃えることでさらに何か良いものを得られるようなシステムが問題とされているらしい。
コンプガチャの何が問題なん?
コンプガチャの問題について調べると「射幸心をあおる」というキーワードがよく出てくる。
射幸心とは、人間の心理として幸運を得ることを願う気持ち。
Wikipedia 射幸心
全部揃えると良いことがあるという気持ちを煽ってくじを売ること、これが一種のギャンブル性があるらしい。
だからそれの何が問題なん?
調べてもすっと落ちてこない。じゃぁ、銀のエンゼルを揃えるためにチョコボールを買い続けていたのもダメだったのか?俺はそれを納得した上で買ってたわけだから本人がそれで対価を払って良いと思っているならそれでいいじゃないか。
こういった人間の心理を利用した販売方法は世の中で氾濫しているわけで射幸心をあおることが問題だというならお守りを売る(実際には買っているじゃなくて納めているわけだが)ことだってダメじゃないか。
「ランダムに出てくる特定のアイテムを組み合わせることで、他の景品を入手できるくじ」のような商品は景表法で禁止されている
話題の「コンプガチャ」についていまさら聞けない人のためのやさしい解説
結局のところ、結論は景表法で禁止されてるからダメらしい。この点については以下の内容がわかりやすかった。
懸賞の方法が禁止となった背景には、かつて、子供たちに人気のあったプロ野球選手やアニメーションのキャラクターのカードを集めると景品類がもらえるといった懸賞が爆発的な人気を呼び、カード欲しさに商品を買い続けることに親から苦情が多く寄せられたことや、特定カードの枚数を制限してカードを集めにくくするなど、企業側が不正行為をする可能性が指摘されたことがある。
これを受けて公正取引委員会は、こうした懸賞の方法に対し、(1)それらが主に児童向けの価格の安いものに利用されるものであること、(2)児童の射幸心をあおるものであること、(3)すぐに当たるような気持ちにさせる方法であるため、懸賞の方法自体に欺瞞性が高いことや、児童は大人と比べ判断力が十分でないことなどに配慮し、このやり方自体を全面禁止した。
当たり券3種類そろうと応募できる懸賞は可能か?
そしてこの規制を真面目に読めば、チョコボールの銀のエンゼルは絵合わせでないので問題にならないと考えることができるとのこと。
これに「絵合わせ条項」となる「二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。」と記載されているのですが、この2以上の種類というのがミソだったりします。例えばコンプガチャの場合は「数種類の異なる種類の付票の特定の組み合わせにより景品を提供」しているのです。逆に森永のエンゼルの場合は「金1種類、もしくは銀1種類であり、同一の付票の枚数により景品を提供」しているのです。
【景表法のわかりやすいお話】コンプガチャがアウトで森永の金銀エンゼルがセーフな理由
細かい理由はよくわからない
子供がお金を使うとか、いろんな理由を背景にあげられているが、そんな商売は世の中に沢山あるわけでソーシャルゲームがやり玉にされるのは単に出る杭は打たれるからに思える。細かい理由を考えていくと年齢で規制すればOKなのかとか線引きがよくわからなくなってくるので「景表法で禁止されてるからダメ」理由はこれだけにしないと堂々巡りになりそう。
確実に叩かれるから誰もやらないと思うが、お金を納めてお守りを手に入れてそれが5つ揃えばいいことがある、というサービスならセーフなのかと思えたりして怖い。お守りは行き過ぎでも、エンゼルマークのように絵が同じものだったらいいんでしょ?とほとぼりが冷めたころにやる人は確実に出てくるんじゃなかろうか。
あれちょっと待て。ドラゴンボールは星の数が違うから景表法に引っかかるんじゃないのか??
検索したらつぶやかれていた(笑)
神龍 「ドラゴンボール廃止のお知らせ」 「七つ集めるとどんな願いでも叶える」ことに財貨性があり「絵合わせ」にあたるのではないかとの消費者庁の問題意識を踏まえ、このたび、「ドラゴンボール」を廃止することとしました。
https://twitter.com/#!/sakai/statuses/200122152018657280
責任はみんなにある
根本的に言えば、ソーシャルサービスにおけるアイテム課金そのものを規制せざるを得ないし、実際にプラットフォーム側はそういった動きを見せている。
[重要なお知らせ]15才以下の方による、アメーバピグ・ピグライフのご利用に関して
グリー、利用環境向上に関する施策を導入・実施
DeNA、「Mobage」における青少年ユーザの月額課金制限を追加導入
何もしなければ社会的に非難されるし、規制をかければユーザから苦情をうけるという袋小路だが儲かっているからいろいろ言われるんだろう。子供が行う課金は親が払っているはずだから、理想としてはプラットフォーム側は規制する仕組みだけを用意してどう適応するかは親が決めればよいと思う。しかし残念ながら世の中の流れの速さにみんなついて行けていないのが一括で規制せざるをえないのが現実なのだろう。
結局のところサービスを提供する側だけじゃなく、使う子供にもその親にもみんなに責任がある気がする。