ソフトをなめるな

「アップルを意識しすぎず冷静に」
吉岡オーディオ事業本部長が語る「ウォークマン再生」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070330/rt030.htm?ref=rss

社内ではこんなことが言われているという。「アップルのソフトは昨日今日出来たものではない。失敗の積み重ねの上にある。iTunesだって5年かかったんだ。それが『明日にはできる』なんて勘違いするな。一歩ずつやろう」。

 この言葉は、現在同社でソフトウェア開発担当上級副社長を勤める、ティム・シャーフ氏の口癖だという。シャーフ氏は、アップルでインタラクティブメディア担当副社長を勤め、QuickTimeを作り上げた人物の一人である。アップルを内情を知る人物の言葉であるだけに、追いかけるソニーにとっては重い一言だ。

若造であったにもかかわらず、Timとは一度ミーティングで会ったことがあります。とはいえ、日本にくると分刻みで沢山のミーティングをされているのでまぁ自分のことなど覚えてくれてはいないとは思っていました。しかし、辞める直前にミーティング待ちなのか会議室の前に立っていたTimに会ったら向こうは自分のことを覚えていてくれていたらしく声をかけてくれました。ひょっとするとお偉いさんとばかり話しているので返って若造のことを覚えていたのかもしれません。

「ソフトをなめるな」
ソニーにいたときに何度か僕が口にした言葉です。しかしTimの言葉の方が圧倒的に説得力があります・・・ソニーはハードウェア企業です。ソフトウェアは軽視されていて、またソフトウェアを理解しているマネージャ陣は少ないのです。Timくらいの人間じゃないと理解させることは無理なのかもしれません。

「ソフトウェアが重要だ」と言うマネージャは沢山います。しかし、そういいながら数日後は次のようなことを言ってきます。

「ソフトウェアなんておまけ」
「ソフトでは利益がえられない」
「ソフトをつくるのに何でこんなにお金がかかってるんだ」
ソフトウェアエンジニアにとってソフトを知らない、ソフトを理解しない、ソフトを理解できないマネージャ・経営陣がいる会社で働くことはつらいことです。Timは素晴らしい人物だと思いますが、日本の会社である以上は日本人でこういった人が出てこないと厳しい気がします。自分はそういう人物を目指します。